乳児ボツリヌス症というのを聞いたことがありますか。生後半年を過ぎると、離乳食に移行していきます。その際に、ぜひ、気を付けてほしい「乳児ボツリヌス症」をご紹介します。
乳児ボツリヌス症
乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の乳児に発症します。ボツリヌス菌の芽胞が体内に入り、その芽胞が発芽して、毒素を出すことで発症します。
症状は、数日間の便秘があり、その後脱力状態や、泣き声が小さくなる、ミルクを飲まなくなるなどの症状があります。
重症化することは稀ですが、重症化してしまうと死亡例もあるので、注意しないといけません。
乳児ボツリヌス症の原因として最も多いのが、ハチミツです。(そのほかは、原因不明での症例)
大人は、ボツリヌス菌の芽胞を食べてしまっても、腸内細菌が芽胞の発芽を防いでくれるため、発症することはありません。
※1歳以上で、腸内細菌が整うといわれています。
ボツリヌス菌の芽胞
まず、ボツリヌス菌は、川や沼、土壌など、広く存在しています。ミツバチが蜜を集めて活動しているときに、自然界にいるボツリヌス菌によって汚染されることがあります。それで、ハチミツにもボツリヌス菌が含まれてしまうことがあります。(これは稀なことで、全てのハチミツに含まれているわけではありません)
ボツリヌス菌は、芽胞(かたい殻に守られた種のようなもの)を作ります。ボツリヌス菌自体は、加熱で死んでしまいますが、芽胞の形だと、熱や乾燥に非常に強く、100℃で加熱しても生きている可能性があります。
煮沸しても、芽胞はなくなりません。
まとめ
栄養価が高く人気のハチミツですが、1歳未満の乳児には要注意。離乳食に間違えて入ってしまうことがないようにしましょう。乳児がいるご家庭では、ハチミツに使った食器やスプーンの洗浄もしっかり行いましょう。
ただ、ハチミツは怖いものではありません。腸内細菌が出来上がっていれば芽胞が発芽するのを抑制してくれます。厚生労働省のホームページににも下記のように記載があります。
1歳以上の方にとっては、ハチミツはリスクの高い食品ではありません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html